ヤマハが開催している初心者ライダーやリターンライダー、ペーパーライダー向けの講習「ヤマハ大人のバイクレッスン」のオンロードコースに参加してきました(参加日は2022年3月26日)。
ヤマハの回し者ではありませんが、正直言って最高のバイク講座でした。1ユーザー目線でリアルな感想をお届けします。
筆者は教習所を卒業してから約9ヶ月、マニュアルのバイクに乗っていなかったので不安でしたが、まったく問題なく参加できました。
もっと年配の方だと20年以上振りにバイクに乗るリターンライダーの方も居たのでブランクがあっても心配は無用です。
※うっかり写真を撮り忘れたため、現地の様子がわかる画像がありません。ご了承ください。
ヤマハ大人のバイクレッスンの概要
レッスン内容 | 会場内でのバイク運転の練習と公道ツーリング(詳細は後述) |
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参加費 | 8,000円 |
使用車両 | トリッカーXG250(250cc) |
開催地 | 東京・大阪など多数 |
募集人数 | 15名 |
その他 | 立ちごけを含む転倒をしても弁償不要。ヘルメットやプロテクターの貸し出しあり。 |
参加して分かった詳しいレッスン内容
公式サイトには詳しく乗っていない、当日のレッスン内容の詳細をご紹介します。
教習所で習う項目のうち、クランクや一本橋などの特殊なコースを除く、公道走行に直接必要になる技術は一通り教えてもらえます。
1.【会場内での技能教習の内容】行動走行に必要な基本操作がしっかり学べる
レッスン内容
- 乗車方法と乗車姿勢
- 基本操作
- 発進と停止
- 加速・ギアチェンジ
- カーブの走行
- 急制動(教習所より基準が緩い)
- Uターン
- 坂道発進
会場内でのレッスンは、公道に出るにあたって必要な基本的な走行技術をじっくり学べるものでした。教え方は丁寧でコツなどもしっかりと教えてくれるため、ブランクがあっても全く問題ありません。
特に苦手とする人が多いと思われるUターンや坂道発進もしっかりと教えてくれるので自信がつきました。
2.【公道ツーリングの内容】5名1組とインストラクターでマスツー
今回参加した東京会場(東京都あきる野市にある「東京サマーランド」の駐車場)のケースですが、15名の参加者を5名ずつの3グループに分け、前後に1名ずつインストラクターがついた状態で公道を走るというものでした。
コースは山間部のワインディングロードと市街地で構成されていましたが、ワインディングロードといっても奥多摩周遊道路のような上級者向けの鬼コースではなく、見通しが良くカーブの角度も緩やかでかつ、車両の量も少ない走りやすい道だったので安心して走行できました。
また、市街地の道は発信と停止の機会が多く、踏切もあったのでこちらもよい練習になりました。
3.試乗(希望者のみ)
ホームページには特に書かれていませんでしたが、教習車のトリッカーとは別に試乗車が3台用意されており、希望者は公道ツーリングまで終了した後に無料で乗せてもらえました(車両ラインナップは下記)。
試乗車一覧
- MT-25
- 250CCのネイキッドバイク。タンクが自然にニーグリップさせてくれる形状で乗りやすい。トリッカーと違ってシフトインジケーターがついているのも良い。
- YZF-R3
- 320CCのSS(スーパースポーツ)。前傾姿勢はキツイが、こちらも自然とニーグリップさせてくれる形状であることに加え、ギアの入り具合や加速が滑らかで走りやすい。こちらもシフトインジケーター付き。
- MT-07
- 688CCのネイキッドバイクで、MT-25の排気量違い。大型免許保有者限定の試乗車だったので乗れず。
悪い考えですが、この試乗車も万が一立ちごけや転倒しても責任を取らなくてよいのに加え、公道ではなく広い敷地内で落ち着いて乗れるので非常に良い試乗のチャンスでした。特にMT-25は欲しくなるくらい乗りやすかったですw。
参加して分かったリアルな情報やメリット・デメリット・注意点
実際に参加したことで分かった、ヤマハ大人のバイクレッスンの雰囲気や、メリット・デメリット、注意点といったリアルな情報をご紹介します。
1.値段が安い
8,000円という参加費は他社のペーパーライダー講習と比べると圧倒的な安さです(他社で1万円以下のレッスンは探した限りでは無い)。これはヤマハが儲けを度外視した需要創造活動として実施しているためですが、この金額で1日みっちり練習できる講習は無いのでめちゃくちゃお得といえます。
2.使用車両はトリッカー(足つき・取り回し良好)
車両はヤマハのトリッカーXG250という単気筒の250CCのオフロードバイクです(オンロードでもオフ車でした)。
オフロードバイクというと足つきの悪さを心配されるかもしれませんが、身長168cmのじゆとりでかかとが少々浮く程度であることに加え、車両重量が125kgと非常に軽いので立ちゴケの恐怖心はゼロでした(実際、女性の方でも問題なく扱っていました)。
単気筒のバイクは気筒数が多いバイクよりエンストしやすいデメリットがありますが、エンストしてもコケる心配がないので軽い車体のほうがありがたかったですね(教習車のCB400(4気筒200kg越え)よりずいぶんマシです)。
ちなみに、オフロードレッスンのほうの使用車両はセロー250だったようです。
3.【メリット】褒めて伸ばすスタイルなので安心
教習所と違って完全にほめて伸ばすスタイルで運営されています。
できなかったり失敗したからと言って怒られることはありませんし、上手く出来た時、1つ進歩したときはしっかりと褒めてくれるので、のびのびと安心して練習できる環境でした。
4.参加者が初心者ばかり
じゆとりも免許取得後はマニュアル車に一切乗っていなかった超初心者ですが、ほかの人も
- つい先日普通二輪免許を取った人
- 25年乗っていなかった人
- 免許はとったけど一度もバイク乗らず&買わずで10年以上たった人
などなど、同じような初心者ばかりだったのでプレッシャーなく練習できました。
5.【メリット】インストラクターが多いので出来なくてもじっくりと教えてもらえる
今回参加した時のインストラクターは7名以上と参加者15名の約半分居たため、1人1人を見てくれる時間が長かったほか、できない人が置いて行かれることもありませんでした。
実際に今回は発進の段階から躓いている方がいましたが、全体のカリキュラムに無理に合わせることはなく、個別に指導していたので、公道に出る段階では全員が公道を走れる状態にまでなっていました。
6.【メリット】質問し放題&聞きやすい雰囲気
インストラクターは気さくな方が多いほか、開始時点でいつでも質問して問題ないと説明があるので質問が非常にしやすいです。教習所だと教官を捕まえるのが難しいこともあったので非常に良いシステムだと思いました。
インストラクターが多いため、練習中に質問して手を止めても問題ないのもよかったです。
7.昼食は幕の内弁当
- 2色ご飯(白米とおこわ)
- ミニハンバーグ2種
- フライドポテト
- ナポリタン
- 焼き鮭
- しぐれ煮
- 野菜の煮物
昼食付きとのことでしたが、内容は和洋折衷の幕の内弁当でした。温める設備はありませんがどれもおいしかったです。結構ボリュームがあったのもよかったですね。
8.飲み物が支給される(アクエリアス&お茶)
今回は3月に開催された講座でしたが、500mlのペットボトルのアクエリアスとお茶が支給されました(アクエリアスは開始時、お茶は昼食時に支給)。
緊張もあってかのどが渇いたのでありがたかったです。至れり尽くせりですね。
9.【メリット】ヤマハバイクレンタルの永久割引券がもらえる(1,000円分)
レッスン終了時にヤマハライディングアカデミー(YRA/主催者のこと)の受講証が貰えるのですが、これがあるとヤマハのレンタルバイクである「ヤマハバイクレンタル」の利用料が永久的に1,000円引きになります。
ヤマハの「ヤマハバイクレンタル」とホンダの「HONDA BIKE GO」は立ちゴケの免責保障まである保険に入ることができる、初心者ライダーにも優しいレンタルバイクなのでこれはありがたい特典です。
10.ヤマハ製品の割引券が貰える(有効期間1年)
ヤマハで1年以内に126cc以上のバイクを購入した場合限定ですが、ライディングギアの購入に使える割引券11,000円分が貰えます。用品も一から揃える方にはお得です。
11.【注意点】メディアと広報部の取材があり顔写真が載る
当日はメディアおよびヤマハの広報部の取材が行われており、レッスン風景の写真や集合写真がヤマハのホームページに掲載されます(名前は出ません)。
また、人によっては個別に感想などを聞かれることもあります(こちらは断ることも可能)。
12.【デメリット】抽選倍率が高い
唯一のデメリットが抽選倍率が高い点です。定員は15名ですが、今回参加した3/26のオンロードレッスンで倍率は15倍とかなりの高水準だったと伺いました。
確実に参加できる保証が無いため、参加可能な場所で開催されているものは複数申し込むなどして確率を上げる必要があります。
【まとめ】公道走行に不安があるライダーに最適
一口にバイク初心者といっても、免許取りたての人から数十年バイクから遠ざかっていたリターンライダー、免許取得後一回もバイクに乗っていない人など事情は様々なですが、どのような初心者でも一日でゆっくりと公道を走れるレベルにまで上達させてくれる非常に良いスクールでした。
バイク初心者の方で公道に出るのに不安がある場合は、ぜひ参加してみることをおすすめします。